【最新版】障害年金にデメリットはあるの?社労士が徹底解説!
目次
こんにちは、おりーぶ社会保険労務士事務所の高橋美穂です。
当事務所は台東区・文京区を中心に対応する障害年金専門の社労士事務所です。
今回は障害年金のデメリットについて解説いたします。
結論からいうと、障害年金を受給することによるデメリットよりメリットの方が圧倒的に大きくなっています。
ただし、デメリットもございますので、解説していきたいと思います。
障害年金とは?
障害年金は、病気や怪我により一定の障害状態となった際に、生活を支えるために支給される公的な年金です。障害年金には、障害基礎年金と障害厚生年金の2種類があります。
この2種類の違いとして、病気やけがで初めて医師の診療を受けたときに国民年金に加入していた場合は「障害基礎年金」、厚生年金に加入していた場合は「障害厚生年金」が請求できます。
また、障害年金を受け取るには、年金の納付状況などの様々な条件が設けられています。
障害年金の申請方法と必要書類
障害年金の申請は、市区町村役場や年金事務所で行います。申請には以下の書類が必要です。
- 年金請求書
- 初診日証明書類(③診断書で兼用できる場合あり)
- 診断書
- 病歴・就労状況等申立書
- 振込先のわかるもの(通帳コピー、キャッシュカードコピーなど)
申請手続きは煩雑であり、不備があると申請が受理されないことがあります。そのため、必要書類を事前に確認し、適切に準備することが重要です。
申請書類の記入方法や提出先については、最寄りの年金事務所や市区町村役場で詳しい説明を受けることができます。また、社労士のサポートを受けることで、申請手続きがスムーズに進む場合があります。
障害年金のデメリットとは?
では、障害年金のデメリットにはどのようなものがあるか解説していきたいと思います。最初に申し上げた通り、デメリットはほとんどございません。ただし注意点はいくつかございます。
1つ目は、
① 他の制度の支給を受けている場合、支給額が調整される。
- 生活保護費
生活保護費と障害年金は併給(両方受け取ること)ができますが、障害年金を受給出来ることになった場合、年金相当額が生活保護費から差し引かれることになるため、トータルで受け取れる金額については変わりません。今後、就職やご結婚で生活保護の受給を打ち切ることを考えている場合は、まずは市区町村の役所にて「障害年金の受給を検討している」とご相談ください。
- 傷病手当金
同じ病気やケガで障害厚生年金と傷病手当金、同時に両方の受給資格が発生した場合には傷病手当金はもらえなくなります。ただし「障害年金の総支給額(障害基礎年金+障害厚生年金)÷ 360日」よりも「傷病手当金の日額」の方が高額な場合、差額分を傷病手当金として受け取れます。なお、障害厚生年金と傷病手当金において、①支給の理由になるケガや病気が異なる②障害基礎年金のみを受給している場合、傷病手当金は調整されることなく受け取れます。
- 労災給付
障害年金を受給する場合にも労災給付は併給できますが、73〜88%の割合で、労災給付の方が減額調整されて支給されます。労災給付のみを受給する場合と比較して、障害年金と調整後の労災給付の総額の方が多くなるように受け取れるため労災給付と障害年金の併給によって損をすることはありません。なお、20歳前障害による障害基礎年金と障害手当金については、労災保険の給付が優先支給となります。
- 児童扶養手当
障害年金1・2級を受給する場合、児童扶養手当の額が障害年金の子の加算部分の額を上回る場合には、その差額が児童扶養手当として支給されます。
障害厚生年金3級を受給する場合に、児童扶養手当より障害厚生年金の総支給額の方が大きい場合は、児童扶養手当は支給されません。一方、児童扶養手当より障害厚生年金の総支給額の方が小さい場合には、その差額が児童扶養手当として支給されます。
② 扶養から外れるケースがある。
健康保険上の被扶養者には所得制限があり、障害年金を受給する場合は年間収入が180万円未満である必要があります。収入が障害年金のみの場合は制限を超えることはほとんどありませんが、就労しながら障害年金を受給する場合は注意が必要です。
③ 死亡一時金・寡婦年金は支給されない。
生計同一や生計維持の関係にあった故人が生前、障害基礎年金の支給を受けていた場合には、その遺族は死亡一時金や寡婦年金をもらえなくなります。
・死亡一時金(死亡日の前日において第1号被保険者として保険料を納めた月数が36月以上ある方が何ら保険給付を受けることなく死亡した方の保険料が、掛け捨てとならないように一定の遺族に一時金が支給される制度です。)
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/sonota-kyufu/1go-dokuji/20140422-01.html
・寡婦年金(国民年金の第1号被保険者として保険料を納めた期間および国民年金の保険料免除期間が10年以上ある夫が亡くなったときに、その夫と10年以上継続して婚姻関係(事実上の婚姻関係を含む)にあり、死亡当時にその夫に生計を維持されていた妻に対して、その妻が60歳から65歳になるまでの間支給されます。)
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/sonota-kyufu/1go-dokuji/20140422-02.html
デメリットを最小限に抑える方法
では、このようなデメリットを最小限に抑えるためには、どのようにしたらよいのか解説していきたいと思います。
1つ目は、
① 他の制度の支給を受けている場合、仕組みについて理解する。
先ほどご説明した通り、支給調整はされますが総合的に受け取る金額が減るわけではありません。また障害年金が受けられるのであれば、制度的に生活保護は障害年金を優先しなければならないことになります。ただし生活保護受給中の方に障害年金が支給された場合、障害年金受給分を生活保護費から返上しなければならなくなるため、注意する必要があります。
② 扶養から外れたくない場合は収入額に注意する。
障害年金のみで180万円以上になることはほぼありませんが、就業している場合でどうしても健康保険上の被扶養者でいたい場合は就労時間の調整等でその他の収入を抑えるしかありません。なお、障害年金は非課税のため、会社の年末調整などには影響しません。
③死亡一時金・寡婦年金について理解する。
「支払われない」と聞くとデメリットに思えるかもしれませんが、これらはいずれも「国民年金第1号被保険者」が年金を受け取る前に亡くなった場合の制度で、どちらも本人ではなく、同一生計の配偶者等に支給されるものです。金額的にも障害年金を受給できるのであればその方がメリットが多く、デメリットと言えるほどのものではないと思います。
障害年金のメリット
ここまでデメリットを解説してきましたが、最初に申し上げた通りメリットの方が圧倒的に多いです。ここからは、そのメリットを解説していきたいと思います。
1、経済的な不安を和らげ治療に専念する
長期に渡り病気やけがにより思うように働けなくなった時の一番の不安は『収入』だと思います。そのため、まだ療養が必要な状態であっても無理をして仕事をしてまた働けなくなってしまった、というケースは多く聞かれます。
障害年金を受給することで、収入を安定させ治療に専念することが可能です。経済的な不安を和らげ、療養に専念できる環境を整えましょう。
2、働きながらでも受け取れることがある
障害年金は働きながらでも受給が可能です。そのため、『フルタイムで働くのは難しいため短時間労働で働き、不足分を障害年金で補う。』ということも可能です。働き方によっては障害年金を受給できないケースもありますので、働きながら障害年金の受給を検討されている方はぜひご相談ください。
3、障害年金は非課税です
老齢年金には所得税がかかりますが、障害年金と遺族年金は非課税です。そのため年末調整や確定申告において障害年金の受給額を申告する必要はありません。
4、国民年金保険料の支払いが法定免除になる(1、2級の場合のみ)
障害年金の1級又は2級に該当し、法定免除を受けると障害年金受給中の国民年金保険料の納付が全額免除されます。ただし、将来受け取る老齢年金の額を増やしたい場合は法定免除を受けずに年金保険料を納めるという選択もできます。
5、年金の使い道には制限がない
生活保護費には「高級品・車・バイク・持ち家を購入できない」という制限がありますが年金にはそのような制限はありません。
【無料相談】障害年金に関するご相談は当事務所へ
当事務所は、お客様の障害年金に関わる全てのお悩みにお答えさせていただきます。特にその中でも受給できる可能性のある年金に関して丁寧にアドバイス・申請サポートさせていただきます。
障害年金に関する疑問や不安をお持ちの方は、ぜひ当事務所の無料相談をご利用ください。
無料相談の内容とメリット
無料相談では、障害年金の専門家である社労士が直接ご相談に応じます。これにより、申請手続きの流れや必要書類についての具体的なアドバイスを受けることができます。また、個々のケースに応じた最適な解決策を提案し、スムーズな申請をサポートします。
相談の流れ
- お問い合わせ:まずはこちら(https://sharoushi-olive.com/contact/)からお問い合わせください。
- 状況のヒアリング:まずはお客様の状況を30分ほどお伺いいたします。
- 専門家のアドバイス:障害年金に関するご質問にお答えし、受給の可能性や受給のポイントをお伝えします。
- 手続きの流れ説明:障害年金を申請する流れ・当事務所のサポート内容をご説明します。
まとめ:障害年金のメリットとデメリットを理解し、安心の生活をサポート
障害年金は、経済的支援や生活の安定、心理的な安心感を提供する重要な制度です。一方で「デメリット」と言われることも存在します。ただし、それらは制度をよく理解することで回避することができます。そのため、正確な情報を得ることや社労士のサポートを受けることが有効です。
当事務所では、障害年金に関する無料相談を通じて、皆様の生活を支援するためのサポートを提供しています。お気軽にお問い合わせください。障害年金のメリットを最大限に活かし、安心した生活を送るためのお手伝いをさせていただきます。
最終更新日 2か月 by 特定社会保険労務士 髙橋 美穂